キッチンでは必ずスリッパを履く
実家では和室の座卓で食事をしていた。
だからスリッパの脱ぎ履きが面倒で、板の間の台所も裸足で使っていた。
流しとコンロの前の床にはキッチンマットも敷いて冬も特に足元が冷たくないし、何の問題もなかった。
が、しかし!
珍しく父が食器洗いをしてくれた時に事故は起こった。
洗った食器がつみあがった籠から、1番上に載せた洗ったばかりのフライパンが滑り落ち、父の味の親指を直撃してしまった。
フライパンの縁が当たり、大出血だ。
休日の夜だったから、救急病院を探してわたしが車で連れてゆき、処置をしていただいた。
それ以来、キッチンでは必ずスリッパを履くようになった。
夫と娘にも父の怪我の話をして、キッチンでは必ずスリッパを履くようにしてもらっている。
夫はすぐ習慣化したのだが、問題は娘だ。
いくら言っても全然スリッパを履くことが癖にならない。スリッパ履いてね、と声をかければ素直に履くのだが、放っておけば裸足で調理や洗い物をしている。
19にもなって、キッチンでの怪我のリスクが理解できないとは全く思えないが、とにかく全然スリッパを履かない。
父の惨劇が再び身近な人に起こっては堪らないので、今日も今日とてスリッパ履いて〜を繰り返し言い続ける。
素足でスリッパを履くから、タオル地で洗えるスリッパを安売りの時に複数買う。家族のスリッパを全部洗濯機に入れて定期的に洗って素足に気持ちよい状態にしている。